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+ No.5 + 「降ろそう」


1ヶ月の準備期間を経て2006年の正月明け早々、やる気満々で部室へ集まったクラブ員の面々は
新年の挨拶もそこそこにエンジン&ミッション降ろしに取り掛かることにした。
シャシーに吊ってある構造だから下へ落とすのが常道、まずは邪魔になる周辺部品を外してしまうか。
中まで錆びているマフラーと細いドライブシャフトを外し、シフトレバーも抜いてしまったあと、
識別に荷札を付けてハーネス類を外し、アクセルやメータのケーブルを切り離してから、
最後に面倒臭そうなロッド類に取り掛かった。やっぱりね、割ピンが抜けないんだよなあ。
ピンの先端が錆で欠けて潰れているから、引き抜こうにもプライヤーで掴む場所が無いのさ。
参ったな、そのまま20分ほど格闘した挙句にようやく外すことができたのだが、
たった1本のピンにこれじゃあね。まあ良いや、はい では次。

マフラー D-SFT
途中でなぜか折れているマフラー なんとも頼りないドライブシャフト

SHIFT pin作業
変な形のシフトレバー ピンが外れん!


周辺部品を全て外し終わってエンジンマウントのボルト&ナットを取り外そうとしたのだが、
なんとまあ工具を入れ難い位置にあること。
作業者からボルトを投げ付けられそうな、典型的な難作業部位。
おまけにメガネレンチが入らないときてるから、スパナを使用するしかない。
力を掛けないといけないのに、スパナじゃ滑ってナットの頭を潰しそう。

難作業
えーい、面倒臭いなあ。腰も痛くなってきた

それでも工具を駆使してようやくマウントを外し、フリーとなったエンジン&ミッションを
地面の上に敷いた厚板の上へ降ろそうとした瞬間、「ベキッ!」と嫌な音が。
何の音だい、やってしまったか?
昔はビニールチューブだったと思われる白濁し硬化していたパイプの破断面、
どうやら燃料ホースらしき物を外し忘れていたみたいで破損させてしまったぞい。
まあいいや、どうせ交換しなきゃならんかったのだから気にせず先へ進もう。

破断
バキバキに硬化しちゃってる

エンジン&ミッションを厚板に載せたまま車両の下から引きずり出そうとしたところ、おしいなあ
ほんの数センチだけキャブの頭がシャシーに引っ掛かってしまう、しょうがないから車体を持ち上げるか。
ガレージジャッキを持ち出してデフに掛け、後ろ2輪を持ち上げようと・・・、おいおい、ちょっと待った!
そんなことしたら前1輪だけで支えることになって転倒するかもしれん。危険作業禁止、よし!

つっかえ A
キャブの部分が引っ掛かってるんだよねえ 後ろ2輪の持ち上げだと転んじゃうかも

代わりに前輪を上げようとしたんだけど、はてジャッキをどこに掛ければ良いのやら。
フロントのフォーク部じゃあ危ないし、前輪にも掛けられないし、困った困った。
前輪は断念して後輪上げに再チャレンジ、今度はリヤアクスルの右端に掛けて
右後輪だけをちょいと持ち上げてみた。この姿勢って、
ワンちゃんが電柱に向かって片足を上げているみたいだなあ。

B 片足
そうすればこんな感じで出てきそう 右後輪だけ上げてみようか

車体を持上げてできた空間を利用し、シャシーから降りたエンジン&ミッションが遂に我々の目の前に登場。
エンジン周りがバッチイ(汚いの意)のは、セットオプションみたいなもんだね

板上エンジン
厚板ごと引っ張り出した
ENG FR ENG RR
遂に登場! 油に泥や埃が堆積してバッチイ

シリンダーを覆っている鉄板カバーの下には黒い堆積物が顔を覗かせているし、
ミッション後部も油漏れでゴテゴテの汚れ、
綺麗にするにはかなり手強そうな感じ。ちょいと突付いてみましょうか。



黒い堆積物との格闘へ、つづく。

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