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+ 第7話 + 「ラインオフ!」



業者から再オーバーホールされたマスターシリンダーが届いたが、今度は大丈夫かいな。
ピストン部は純正のような銀色に戻っており、綺麗なピンク色じゃなくなったのは残念。
しかしプッシュロッドの入る穴の深さはオリジナルとほぼ同じに戻っていたので、
これならコニーの部品をそのまま使えるな。
日産車の部品を加工して作ったプッシュロッドが無駄になってしまったけどね。

ピストンが銀色になってしまった・・・

プッシュロッドとマスターシリンダーを再度車体に組付けて、ブレーキフルードを入れてから
ブレーキペダルを踏んでエア抜き。
左側フロントブレーキチューブの繋ぎから前回には見られなかったフルード漏れを発見、
ということは圧力が正常に掛かってきているということかな。漏れの原因はフレア加工が
上手く出来てないのではと思われたので、先端をカットばしてフレア部分のみ造り直し。
2回も造り直すことになったが漏れは完治しエア抜きを再開、今回は順調に抜け切ったみたい。
ペダルの感触は鈍いというか底付きそうになるまで踏み込めてしまうものの、僅かに踏み応えが感じられる。
こんなもんか?じゃあ簡易ブレーキテストをやるかい。


昔の車はマスターバックが無いから、エンジンを掛けなくてもブレーキの利きには関係なし。
せーのーで、よいしょ とコニーを皆で押して動かし、ブレーキを踏んで制動確認してみた。
おお、ガツっと利くじゃん!

フルード漏れが無いかを更に確認するため、暫らくは置いて様子を見る事としたのだが、
結局はそのまま約4ヶ月間も放置する事になってしまった。
2回造り直した部分から僅かに滲みがあったのでフレアナットの増し締めで対応、その他はOKだった。
大きな漏れが無くて良かった。
あらら、考えてみると結局のところブレーキのラインは殆ど造り直しとなってしまったわけだ。

紺色の部分以外は、全て手を入れたんだねえ

じゃあいよいよ屋外に引っ張り出して試乗会でもするか。
エンジンは快調のままなので一発始動、タイヤに空気を入れて”拭くピカ”で簡単に拭ってから
部室の建屋から外まで移動、もちろん自走で。

ラインオフ!(うそ)

踏み応えが怪しいブレーキペダルは、奥までグニャっと踏み込めてしまう頼り無い感触、
利くんだか利かないんだか心配になってしまったが、傾斜している場所でも
踏ん張って停まっていられるから、取り敢えず制動には問題無しとしておこう。
ではでは発進、会社構内での試走なので安全には注意して低速走行、
1st、2nd、3rdとシフトアップしたところで直線が終了、さてブレーキング。
グニャっと奥まで踏み込むと、あららそのまま真っ直ぐに行ってしまうかと思ったが
なんとか減速できた。構内を3周して運転手交代、更に周回を重ねて試走会は
無事に終了した。
ウインカーが点滅しないのを発見してしまったのは御愛嬌ですな。
クリックするとコニーの
ボクサーサウンドが流れます。
この走りは10/23(日)に岐阜県の昭和村で開催された
「第2回 日本昭和村なつかしい国産車の集い」でお披露目できました。
2気筒のボクサーサウンドが全開で奏でる音は、思った以上に勇ましい。

全開で爆走(?)するコニーちゃん

さて7回の連載を続けてきた「ブレーキ復元物語」は今回でおしまい。
いつも通りの想定外(?)トラブルで紆余曲折があったけど、目的は達成できたし
相変わらずの自由気ままな作業だったから、充実感、達成感、そして満足感。
楽しんだかって?それはもちろん!


コニーのブレーキ復元はオーナーさん達を悩ませる共通の難問で、その為にレストアを
断念したなんて話も聞いたことがあるけれど、これでもうそんな悲劇を避けられるかもしれない。
我々にとっても数年来の懸案をオーナーさんからの貴重な情報や助言で解決できたので、
今回の作業に関わる詳細な記録を残して1台でも多くのコニーを生き返らせるのに
役立てられればと考えています。

ところでAF7の復元物語ですが、まだまだ続いてしまいそう。だって車ってのは乗っても壊れるけど、
乗らなくても壊れてしまうもので、現にコニーちゃんのフェンダーは塗装がパテと共に
ポロポロ剥れてきて、みっともないったらありゃしない。
次は「塗装復元物語」になってしまうのかもしれないけど、今まで通りの気ままな活動ですので
連載がいつ始められるのか分かりませんが、その時をお楽しみに。


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