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「完結偏」



トヨタ博物館のイベントが終わって1ヶ月程経った頃、日本クラシックカー協会から
一通の手紙が送られてきた。
「富山ヒストリックカーショーへのお誘い」
富山市の産業展示館テクノホールで開催される旧車イベントへ参加しないかとのことらしい。

参加資格は1979年までの生産車

参加費用は3000円



富山は遠いけど、せっかく誘われたのだから出ちゃおうか、と
エントラントの快感が忘れられない我々は軽い気持ちで参加する事にした。
会場へのコニー搬入は、もちろん会社の積載車を使わなくちゃならないんだけど
待てよ、高速代とか燃料代なんかの遠征費用はどうするんだい?

ここで発起人氏の登場。「愛知機械工業の企業PRをしてきます」との
企画書を提出して交渉、なんとか費用を確保したのであった。
とは言っても、確保できたのは参加料と積載車の燃料代、それに高速道路料金だけ。
遠征に同行する人員は交通費&雑費を全て自己負担。き、きびしい・・・
でもこれは、今でもイベント参加時の御約束となって続いているけどね。

今回もまたまたコニーちゃんと一緒に特別参加させる「隠し玉」を用意。
それは電柱に巻きつけてある看板なんだけど、ちょっとしたレア物。
数十年もの間、愛知機械永徳工場前の電柱に巻き付いていた看板で、
つい先日まで現役で頑張っていたんだけど、とうとうお払い箱となったところを
愛知機械の従業員に救出されたやつなんです。

ディスプレイ用のダミー電柱がマニア心をくすぐる?


イベント当日、まだ150kmしか走ってない新車のアトラスに積込まれたコニーちゃんと
看板は、名神から北陸自動車道を一路富山へ向かって運ばれたのであった。


ゴオォォォ・・・、富山インター近くで、河川敷に造られた空港へ進入するジェット機が
アトラス頭上を掠めて着陸。どうやら富山名物らしい。
富山の市街地からちょっと外れた富山空港近くのイベント会場は、この様な展示会が
初めてとの事もあり、2日間で1万3千人の入場者で賑わったのであった。

入口近くの特等席に陣取ったコニーちゃんの前には、今回も説明パネル効果でいつも人だかり。

企業PRの為に愛知機械工業の会社説明パネルも設置


社内のデザイナーにデザインしてもらったTシャツを着てPR活動

お客さんの反応?
「おー、これに乗ってたよ!」という年配の人やパネル前にずっと佇むマニアックそうな
若者もいたけど、大半は「愛知機械って、コニーって何?」というカップルばかり。
知名度はイマイチ、セレナやラルゴを造っている会社とは知られていないのを実感。

イベントは無事終了、帰路の途中で石川県に完成したばかりの日本自動車博物館へ寄り道し、
コニーちゃんの兄弟達を見学して帰ってきたのであった。

グッピーAF8、三輪コニーAA27、コニーAF7


さて面白半分から始まった2年間の活動を記した「レストア物語」AF-7コニー360偏は、
これでおしまい。

先見の明(?)があった発起人氏の残した復元作業の詳細な記録は、
200枚以上の写真とファイル3冊分の資料。
資料の中には旧車に関連する秘話や裏話も多数残されていてとても面白いんだけど、
ここには書けないので割愛しておきます。

さてさて、書くことが出来ることを最後にもうひとつ。
ちょっと時が遡るんだけど、コニーちゃんの復元が完成しテクニカルフェアでの御披露目も
無事終了したある日の事、復元作業の為に我々が占有していた部屋の奥に
カバーで覆われた見慣れない物がいつの間にか置かれているのを発見したのであった。
小さな車か?



なんだろう、これ

興味深々、カバーを持ち上げてみると・・・



次回から、新連載開始か?

No.34
「クラシック・カー・フェスティバル」
No.36
「最終回」