松阪工場で、エンジン部品に使用するシリンダーライナー・ベアリングキャップの鋳造を担当しております。シリンダーライナー・ベアリングキャップは、鋳鉄を使用した鋳造品であり、製造には様々な工程を通過し完成します。砂に材料を練り込む砂混練工程、砂型を造型する工程、鉄材を約1600℃近くまで熱して溶かすことで溶湯を作る溶解工程、溶湯を砂型へ流し込む注湯工程、完成品の検査出荷を行う仕上げ工程等があり、主に注湯工程を担当しています。
私が担当している注湯工程では、形の無い溶けた鋳鉄を砂型へ流し込み形のある製品を作ります。出来上がった製品が加工され、エンジンに組付けられ、さらに車に搭載され街中を走行しているところに、今の仕事の魅力を感じています。注湯作業では、ハンドルが付けられた取鍋（ヤカンの様な入れ物）に800kgの溶湯が入っており、ハンドルを回し注湯するには匠の技が必要です。日々技能向上に取り組めることにやりがいを感じています。
入社した当初は、設備の知識も無く、多くの設備の名前を覚えることで毎日必死でした。設備が停止した際も、復帰するために時間が掛かってしまい悪戦苦闘していました。判らないことは、自分が理解出来るまで何度も先輩に聞き、知識や構造を理解することで復帰に要する時間も短くなりました。判らないことは、恥ずかしがらず聞くことが大切です。その為に毎日、職場の人たちとのコミュニケーション向上に努めています。
自職場だけでなく他部署の作業も習得し、自主保全検定士など色々な資格を取得していくことで、技能レベルを更に高め、周りから信頼されるプロフェッショナルとなっていきます。そして、習得した知識、技能、経験を活かし、どこにも負けない製造現場にしていきます。